手術部位感染（SSI）部門におけるサーベイランスは、外科手術患者でのSSI発生状況を把握し、その対策を支援する情報を還元することを目的としています。
SSI部門において参加施設は、サーベイランスの対象とする手術手技を決定し、その手術手技に該当する手術に関する基礎的データ（手術時間、創分類、ASA スコア、他）を収集しています。術後原則としてSSI発生の有無に関する30日間の経過観察を行ないます。感染の兆候が疑われる症例に関しては、SSIの判定基準（米国CDCの院内感染診断基準）に基づきSSIか否かを判定します。SSIと判定した場合は、その発生に関するより詳細な情報を収集します。
参加各施設はこれらのデータを決められたフォーマットにより事業へ提出します。事業では、これらを解析し、以下に示すようなフィードバックを各施設に対して行なっています。ここで紹介しているのは全施設合計の解析結果です。

図1 手術手技別SSI発生状況
図2 性別手術手技別SSI発生状況
図3 全身麻酔有無別手術手技別SSI発生状況
図4 緊急手術有無別手術手技別SSI発生状況
図5 外傷有無別手術手技別SSI発生状況
図6 埋入物有無別手術手技別SSI発生状況
図7 腹腔鏡使用有無別手術手技別SSI発生状況
図8 合併手術有無別手術部位別SSI発生状況

参加各施設には同様の解析を施設ごとに行ない、結果を提供しています。各施設においては、フィードバックされた結果に基づき、SSIに関する自施設のパフォーマンス評価やその改善を行なっています。

2005年・年報（1-12月）では17施設から提供された8,215例のデータについて、集計・解析を行いました。